フォン・ヒッペル・リンドウ病

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VHL病診療の手引き・医療関係者の方

 診療の手引き

 研究概要

令和4-5年度 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業22FC0101
『フォン・ヒッペル・リンドウ病における実態調査・診療体制構築とQOL向上のための総合的研究』

フォン・ヒッペル・リンドウ(VHL)病は常染色体顕性遺伝の希少難病(推定有病率36,000人に1人)であり、脳脊髄血管芽腫、網膜血管腫、膵病変、腎病変、褐色細胞腫、内リンパ嚢腫瘍などを合併する症候群である。小児期から生涯にわたって全身に発症を繰り返し、複数回の手術を要し、運動障害、感覚障害、頭痛、めまい、視覚・聴覚障害などQOLの低下も著しい場合がある。身体機能の温存には、複数診療科が連携し継続して検査を行い、適切な時期での治療介入を行うことが必須となる。本症候群に対して、平成21年度より29年度にかけて同事業研究班により、診療体制の整備が行われてきたが、希少疾患のため疫学も不明であり、専門医が少数であるため適切な医療を受けられる十分な診療体制は構築されていない。また、診療指針に関しては、新たな検査・治療法の知見を反映し、令和2年米国VHL Allianceによるガイドライン改訂にも準じた改訂を行った上で、全国の医療者・患者双方への啓発活動が求められる。複数診療科が関与する希少難病であるため、本事業での研究班立ち上げ、上記の課題に取り組む。本研究の目的は、現在の医療体制に即した診断・治療の標準化を実現し、患者・家族に対して適切な医療体制および社会福祉制度の環境を整え、本症候群の臨床的克服に向けた基盤を整備することである。